リューサン < 黒さん
黒さん < 何ですか?

2014年3月27日、FF14でパッチ2.2がリリースされた。
光の戦士たちは歓喜に震えていた。
パッチ2.2は極モグや極リヴァといった極蛮神だけではなく、大迷宮バハムート邂逅編の続きである侵攻編が実装されたのだ。
待ちに待った高難易度レイド。
すぐにでも侵攻編に挑戦したかったがそうはいかない、まずは装備を新調しなければ。
パッチ2.1までは防具や装飾品はIL90、武器はIL95が上限だったが、パッチ2.2で全ての部位のIL上限が20伸びた。
防具や装飾品は戦記(トークン)が無ければ交換できないし、1週間に稼げるの戦記の量は限られている。
じゃあ何の装備を新調するのか、それは武器だ。
パッチ2.2で実装された極リヴァでは武器がドロップしたのだ。
極リヴァでドロップする武器のILは95、邂逅編5層でドロップする武器と同じILだが、同じく極リヴァでドロップする水神の魔鏡というアイテムを使用することで、極リヴァでドロップした武器をIL100まで強化することができたのだ。
ただし、この強化アイテムはレアドロップなので、ドロップするまで何度も周回しなければならなかった。
しかもドロップすれば確定で入手できるわけではなく、ドロップ後はロット勝負に勝つ必要があったのだ。
こうして光の戦士たちは極リヴァの周回に明け暮れていた。
そんな極リヴァ周回の中で一人だけ床掃除をしているジョブがいた。
そう、リューサンだ。

当時の竜騎士は魔法防御力がクラフターやギャザラーよりも大幅に低く、一人だけなぜか死んでいた。
極リヴァでは全体魔法攻撃が多く飛んでくるため、ヒーラーは全体回復をよく撒いていた。
先ほどリューサン一人だけが床掃除をしているといったが、別にヒーラーの回復が漏れているわけではない。
ちゃんと他のDPSと同じ分だけ回復を受けているはずなのに、なぜかリューサンだけ死ぬのだ。
何もミスをしていないのにリューサンだけが死ぬのだ。
そのことに気づいた白魔導士は、リューサンにだけそっとリジェネを添えた。
リューサンはジャンプの硬直で動けず、床を踏んでそのまま海の中にドラゴンダイブしていった。

パッチ2.2で忘れられない出来事は他にもある。
それは侵攻編4層のネールが使用してくるメガフレアだ。
メガフレアはとても痛く、陣+士気+ストンスキン込みではないとDPSやヒーラーのHPは持たなかった。
しかし、これらの軽減を入れても一人だけ床掃除をしているジョブがいた。
そう、リューサンだ。

リューサンはこれだけの軽減を入れても装備や乱数によって、耐えることができなかった。
ではリューサンたちはどうしたのか。
答えは冒頭でリューサンと黒魔導士とのやり取りで交わされたアポカタスタシスだ。

パッチ2.2のアポカタスタシスには火・氷・雷の三属性の耐性を上げる効果があった。
ネールのメガフレアは火属性、つまりこのバフを黒魔導士からもらうことでリューサンは生き延びていたのだ。
え?じゃあ黒魔導士がパーティにいないときはどうするのかって?
黒魔導士がいないとき、リューサンたちは防火の秘薬を飲んでいた。

現在は防火の秘薬を使用すると、レッドピグメントという染料に変化するだけだが、パッチ2.2では防火の秘薬に火属性の耐性を上げる効果があった。
リューサンたちはメガフレアが発動する直前に防火の秘薬を飲んでメガフレアをなんとか耐えていた。
パリン……パリン……パリン……。
メガフレアの前に聞こえるビンが割れる音。
その音はリューサンの悲しみの音だったことをみんなは忘れないで欲しい。
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